ポートフォリオの資金配分 [自動売買一般]
FX自動売買のリスクを下げて、安定した利益を得るためには、複数のEAを組み合わせて運用するポートフォリオ運用が効果的です。
ただし、各EAに対する資金の配分比率が適切でないと、ポートフォリオとしての効果が得られません。
例えば、ボラティリティのすごく高いEAと普通のEAを組み合わせて資金を等しく配分すると、ポートフォリオ全体の運用成績は、ボラティリティのすごく高いEAの成績だけでほぼ決まってしまいます。
これを避けるには、ボラティリティやドローダウンなど、リスクの大きさを表す指標の逆数に比例した資金を配分すればよいですね。
EA①がEA②の3倍のドローダウンなら、
EA①の資金:EA②の資金 = 1:3
とすればよいのです。
EA開発を体験するメリット [自動売買一般]
自分でEAを開発した経験があると、他人の開発したEAを評価する際に役立ちます。パフォーマンスデータを見る際のポイントが感覚的にわかるからです。
私自身は、FXのEAの開発経験はありませんが、株式投資の自動売買システムのロジックを2年くらい開発したことがあります。そのときの経験から、あるパターンに当てはまる資産曲線を見ると、あの症状が出ているのかな?と、ピンときます。
最近は、FXのEAもだいぶ手軽に自作できるようになってきているようですね。最近見つけた「天使のエクスカリバー」というツールを使うと、随分楽にEA作りができるようです。一度体験してみると良いかもしれません。
「勝率を上げるだけなら簡単だな」とか、「エントリーサインの精度を上げようとすると、エントリー機会が減ってしまって良し悪しだな」などと、色々な気づきがあります。その気づきは、パフォーマンスデータを読み解く力となります。
トレードの明細データ [自動売買一般]
自動売買システムのパフォーマンスを評価するときに、トレードの明細データを入手できると色々な分析を行なうことができます。
特に、トレード数が増えるに従って、勝率やプロフィットファクターなどの評価データがどう収束してきたのかは、是非チェックしておきたいところです。
例えば、3年間のトレードのプロフィットファクターが2.5というデータがあったとします。この2.5という値が、どの程度信頼できるのかが問題です。
運用開始(もしくはバックテストの開始)以来のプロフィットファクターの変化をグラフにして、明らかに収束してきているのかを見るのは有効です。
仮に、運用開始を2008年1月とすると、
■ 2008年1月末日まで
■ 2008年1月 ~ 2008年2月末日
■ 2008年1月 ~ 2008年3月末日
■ 2008年1月 ~ 2008年4月末日
■ 2008年1月 ~ 2008年5月末日
・・・・・
・・・・・
■ 2008年1月 ~ 2010年12月末日
のプロフィットファクターをグラフにプロットしてみるのです。そのグラフが明らかに収束する形になっていればOKです。
ちなみに、Gem-Tradeの無料EAはトレードの明細データを入手できます。
1つのEAに多くを期待しない [自動売買一般]
キャッシュ・フローは多ければ多いほど収入が安定します。特に、性格の異なるキャッシュ・フローの組み合わせがよいです。
これは、個人の収入でも、会社の収益でも同じ事です。副業からの十分な収入があれば、会社を解雇されても直ぐには困りません。
いまどきのサラリーマンはよくわかっていると思いますが、会社の給料のみに期待し、会社の仕事ばかりにパワーをつぎ込むのは得策ではありません。
一極集中は、リスクが大きいのです。
そして、これはFX自動売買に関しても同じで、1つのEAにのみ期待するのは得策ではないのです。
落ち着いて考えてみればわかると思うのですが、そもそも、スーパースター級のEAを1つ見つけるよりも、そこそこ有能なEAを10個見つける方が易しいでしょう。しかも、それらの10個のEAを入れ替えながら運用すれば、収益も安定化するはずです。
「1つのEAに多くを期待しない」ということをお勧めします。
システムのポテンシャルを見抜く [自動売買一般]
FX自動売買システムの能力を評価する場面を考えてみましょう。
他人の開発したシステムを導入するという前提で考えると、ウェブサイト上などで公開されているパフォーマンスデータを基にして、システムの能力を判断するしか方法はありません。
つまり、パーフォーマンスデータからどこまで読み取れるか、という話になります。
まず最初に確認しておかなければならないのは、そのデータの信頼性や有効性です。
● データ数は何件(何トレード分)あるのか
● どういう相場環境での結果か
といった点に注意が必要です。
データ数はできれば1,000件以上欲しいところですが、それが無理なら、せめて100件は欲しいです。データ件数が少ないと相対的に誤差が大きくなるからです。
相場環境については、どういう相場が得意で、どういう相場に弱いかを知るのに重要なチェックです。特に、未経験の相場がある場合には要注意です。全くの未知数だからです。
例えば、リーマンショック時などのショック相場のデータが含まれていない場合、もしもショック相場に遭遇したときにどうなるのかは全くわからないわけです。これは大きなリスク要因ですね。
データの信頼性や有効性をチェックしたら、次ぎはロジックの安定性をチェックしておきたいです。
多くのトレーダーは、どれくらい儲かるかに目が行きがちです。確かにそれも重要ですが、その前にどれくらい損をしづらいかをチェックするべきです。いわゆるドローダウンの大きさです。
また、ドローダウンの長さも重要です。ドローダウン中はシステムが機能していない状態です。その期間が長いと、運用できない期間が長いということを意味するからです。
大きなドローダウンの無い、安定した自動売買システムは貴重です。仮に、利益率がさほど高くなくても複利運用できるので、資産形成に役立つ可能性が高いです。
長期的に稼ぐということ [自動売買一般]
人間は弱いもので、不安を感じたり自信が持てないと、つい誰かに頼りたくなります。多かれ少なかれ、誰でもそういった面があるでしょう。
しかし、こと投資に関しては、他人や自動売買システムに頼りきっていては長期的に稼ぐ事はできません。
一般的な自動売買システムは融通が利かないため、売買ロジックが相場に合わなくなると利益が得られないどころか、損失がどんどん膨らみます。
それなら、天才トレーダーに頼りきる「コピートレード」はどうでしょうか?
確かに、天才トレーダーであれば相場の移り変わりにうまく合わせてくれるかもしれません。しかし、何らかの事情でその天才トレーダーがトレードを続けられなくなったら、いったいどうするのでしょうか?
「コピートレード」に頼りきっていた人は、ほとんどトレードのスキルが向上していないはずです。次の“天才トレーダー”を探すとしても、そんなに都合よく見つかるでしょうか?
結局、長期的に投資で稼ぐためには、自分のスキルを向上させるようなやり方をしなければ駄目なのです。
これは、裁量トレードをしなさいという意味ではありません。自動売買であっても、スキルは必要です。
● システムを評価して選ぶ
● 資金管理(システムへの資金の割り振り)
● 相場に合わせて個々のシステムの運用をオン/オフする
こういったスキルを身につけないと長期的に稼げないのではないか、ということです。